白磁の海

釉に漂う日々

土手沿いにて

Untitled

いつもはけたたましく鳴いていて、ちょっと苦手なヒヨドリ

でも早桜の蜜を熱心に吸っている姿はとても愛らしい。

カメラを持って追いかけまわしていても、小鳥と違って容易に逃げないのが良い。

土手沿いに咲き誇った桜の木の周りをうろうろしていると、

散歩中のおじさんやおばさんも僕につられて写真を撮る。

僕は少し会釈してその場から少し離れ、遠巻きにぼんやりと桜を見ている。

来週にはもうこの花も散り、若葉が茂っているかもしれない。

移り変わる時は迷いなく、留まる時は緩慢としている季節。

僕は余裕がなく、一年の間で刹那的な今この時にさえ、まともに向き合えない。

そんな日々に一体どんな価値があるのだろうと、呪いのように思い続けている。