興醒めてしまった午後 あるいは昼下がり 一色一色が枯れていくのを見ていました 最後に取り残されたのは僕の濃紺のスニーカーと あの子のべに どうやら おひさまがすべてかくしてしまったらしい
体にのしかかる大気で どうやら何もかも忘れてしまったらしい 街角を曲がる時 黄色帽子の小さな子を見ることも 鍵盤の上 ぎこちなく踊る指先も 終わる時 あの子の名前をつぶやくことも 全部そっくり忘れてしまった いや、溺れてしまったのだ 7月 だれもいな…
教室のざわめきから遠ざかる 木立の鳥の歌声から遠ざかる 夕暮れ 懐かしい台所のにおいから遠ざかる 笑顔の君から遠ざかる 遠ざかって 疲れた猫背の哀れな人です
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