白磁の海

釉に漂う日々

悪路

Untitled

学生の頃、こうやってただひたすらに、がむしゃらに自転車を漕いだ。

何の変哲もないクロスバイクで100kmも200kmも飽きもせず。

走り続ければ必ずどこかにたどり着くと信じて。

坂を登りさえすればその先に爽快な下り坂があると信じて。

そのくらい何もかも単純にシンプルに進んでいけば良いのに。

今走っているのは街灯がなく、不愉快で悪意ある障害物に満ちた、泥濘の悪路。

止まることも、進むこともできない。