白磁の海

釉に漂う日々

手持ち無沙汰で

Untitled

もうしばらくカメラを持って出歩けていない。

真夏の日差しのような衝動性が影を潜めてしまった。

休日は仕事をしたり、仕事のために休んだりしている。

 

正直写真を撮ってなんの意味があるのか分からなくなる。

賞を取るわけでもないし

誰に褒められるでもない。

 

ただ淡々と風景を切り取るだけの作業だが、

その時々によって日常を見る目が変わるのが面白いと思う。

体感だが、荒んでいるときのほうが好みの写真を撮れる気がする。

カタルシスか。自己理解か。

 

最近、人物を撮影したいと思うことが増えた。

ある時、集合写真を撮影させてもらったときがあった。

写っている人とファインダー越しに目が合うという感覚が初めてで、

人生が変わりそうな気がした。

自分を見て笑ってくれているという体験が、

画像として残るということの特別感。

誰か傍に居てくれたらな、と胸がズキッと痛む。