白磁の海

釉に漂う日々

僕は僕なりの

Untitled

GRⅢというカメラを手に入れた。

広角で撮ることが好きなため、ずっと欲していたがなかなか食指が伸びなかった。

気に入っている21mmの単焦点レンズと役割が被るため、葛藤もあったが、年末に思い切って中古で購入してしまった。

シャッター回数を調べてみたらなんと50回。ほぼ新品と変わりない。久々に心躍った。

新しい道具に出会うことは素晴らしい。

年末の忙しない空気のなか、僕はGRⅢをぶら下げて宛もなく彷徨った。

皆がやれ年越しそばだ、やれおせちだと騒ぎ立てるなか(偏見だが)。

まず、軽い。こんなに軽くていいのかと思うほど軽い。なのに取れる画像はグッと来る。

撮るものすべてメランコリックでムービングだ。

間違いなく求めていた以上の画がそこにある。

さて撮りにいくか、と一眼レフを準備し、どこに行こうかと思案する時間が嘘のよう。

愛用しているKPに望遠単焦点を取り付け、胸にGRⅢを弾ませながら散歩する。

GRを広角単焦点と思って使うことは難しいと人に言われたが、なんのことはない。

もう一つ、魂の入れ物を手に入れただけだ。

当然、そこを通過する光線はこれまでと異なる。

GRⅢに『僕は僕なりの愛を与えて行くから』…なんてね。

やっぱり写真とカメラは素晴らしい。