2023-12-30 隙間風 窓際に並べた数十冊の本が 冷たい隙間風を心做しか防いでくれている 赤や黄色や緑の色合い 文庫本や単行本が織りなす不規則な境界線 インクの匂いや、猥雑な古書店の臭い、いつのまにか染み込んだ生活臭 本を通り抜けたわずかな隙間風は 混沌として蒙昧な気持ちを掻き立てる 背中を丸めてたどたどしく文字を追った日々に、 文字から紡がれる漠漠とした風景を信じた無垢な自分に帰りたい